ロジカルシンキングとは論理的思考のことで、物事を順序立てて細分化して考えて結論を導き出す思考方法のことです。ロジカルシンキングはどんな仕事にも活かせます。具体的には仕事の成功率が上がるので、評価が上がり出世するなど、社会的な成功を勝ち取ることができます。一流のコンサルタントは当たり前に高速なロジカルシンキングができますし、マーケティングやプログラミングの業務には特に活かせると思います。
この連載では、マーケター兼エンジニアである筆者の日常に起こることを抽象化し、ロジカルシンキングが鍛えられるように問題形式で書いていきます。是非、考えることを楽しんで頂ければ幸いです。

今回のケース
友人が副業を始めたいとココナラに登録しました。
その友人は人と話すことが得意なため、人の相談に乗って報酬を得る商品を登録しました。
既に人気を集めている商品・販売者の紹介文やキャッチコピーを参考にし、サムネイルも自分なりに工夫して作ったそうです。
しかし、1週間経ちましたが誰からも応募が来ません。
課題解決するための提案を考えよう
このように悩んでいる友人がいたら、アナタならどうゆうアドバイスをしますか?
アナタがコンサルタントでクライアントからこのような相談をされたら、どのような改善策、解決方法を提案しますか?
この友人は何がよくないのか全く理解できていません。まずは課題を整理して細分化して要因を突き止め、それに対する解決策を提案してあげましょう。
完璧な答えはありませんが、有益な改善策を検証することで成果につながっていきます。
1つ改善策ですべて解決することはできません。論理的に分析し、どのような改善策をどのように順序立てて講じていけばよいか、具体的にわかりやすく提案してあげましょう。
[前提条件] ・ココナラの相談系の商品は既に数がかなり多い・ココナラには「出品サービス分析」という自分の商品の閲覧数を確認できる機能がある
ロジカルシンキングで課題発見と課題解決方法の検証
課題解決をするための提案をする前に、まずは本当の課題を発見して明確にしないといけません。この本当の課題発見がうまくできないと、ずれた提案をしてしまい結果につながりません。
現状分かっていることは『誰からも応募がこない』という課題です。
ここから「なぜ」「なぜ」と1つずつロジカルに分析していきます。
ロジカルに分析するとは、必ず物事が理論的に正しい=確実もしくは正しいと思える根拠に基づいて次の物事を考えることです。
これがロジカルシンキングです。
いきなり答えを出すことはできませんし、その答えが正しいかわからないため、仮説を立てます。
[課題]なぜ誰からも応募がこないのか
↓
[仮説1]商品の内容が良くない、魅力的ではないため応募に繋がらない
[仮説2]そもそも商品ページが見られていない、存在が認知されていない
↓
[仮説検証]「出品サービス分析」で閲覧数を確認する
↓
[仮説検証結果]閲覧数は0に近かった
↓
[新たな課題の発見]商品ページが誰にも見られていない
ここで新たな課題の発見があったため、再度この課題に対して「なぜ」を当てはめ、仮説立て⇒検証を繰り返します。
[課題]なぜ商品ページが誰にも見られていないのか
↓
[仮説]ココナラの同じ相談系カテゴリの商品が多いため埋もれる
※仮説は複数ないといけないわけではありません。1つの場合はその仮説が正しくなければ、別の仮説を考えましょう
↓
[仮説検証]その商品カテゴリの一覧ページを見て、友人の商品がどこに表示されているか確認
↓
[仮説検証結果]2000件ほどの商品があり、友人のアカウントで検索してもらったら上位100個のうちにも表示されていなかった
ここで課題がはっきりしてきました。『ココナラの相談系カテゴリの検索で上位に表示する』
では、次にこの課題を解決できるであろう仮説を考えます。
[仮説1]オプションでお金を払って上位表示できないか
[仮説2]上位表示のアルゴリズムを分析して徹底的に商品ページをリッチにする
↓
仮説1はオプション自体がなかったため断念。仮説2を実施することにした。
ココナラが公式で発表しているアルゴリズムと、ネットの記事に載っていることをすべて試した。
↓
[結果]手法すべて試したが、上位表示は実現できなかった。やはりアルゴリズムの大きな割合を占めるであろう『実績数』がないと難しいようだ。
ここで次の課題がはっきりしてきました。
[課題1]『実績数』をあげて上位表示を実現する
[課題2]上位表示以外で見てもらう方法はないか考える
[課題1]しか思いつかない人が多いですが、常に頭を働かし、その手法以外で可能なことはないかを考えます。課題1,2ともに可能性がありそうなので、どちらも並行して検討してみましょう。
[課題1]『実績数』をあげて上位表示を実現する
↓
[解決策」知人に商品を購入してもらう
[課題2]上位表示以外で見てもらう方法はないか
↓
[解決策1]ココナラ内で商品を認知してもらうための営業活動のようなことはできないか
[解決策2]ココナラ外からアクセスを集められないか
それぞれ有力な解決策が出たところで、実際にその解決策を実行します。
この場合[課題1]と[課題2]を並行してやってしまうと、厳密にどちらの効果があったのかわからなくなってしまいます。
ココナラのアクセス解析に外部からの流入を個別に見られたら良いですが、そのような機能がないため並行してやってしまうと、応募が発生したときにどちらの解決策からきた応募か判別ができなくなってしまいます。
結果的にはそれでも友人は喜ぶでしょうが、ノウハウとして蓄積するためには1つずつ解決策を試すべきです。
[課題1]はシンプルに何名かの知人に商品を購入してもらいます。上位表示されている商品の中で実績数が比較的少ない商品の実績数を基準とし、その数値を少し超えるまで知人に購入してもらいます。(※知人に購入してもらうことが利用規約違反か確認していませんが、あくまでの架空の提案として話を進めます。)
実績数が予定の数まで達したら、実際に上位表示できたか結果を確認します。(実際にこの行為を実施したわけではありませんが、架空の話として議論を進めます)
結果、少し上の方に表示されるようになりましたが、満足できる上位表示はできませんでした。
ここで新たな課題が生まれました。
[課題]上位表示するための商品の実績数以外の要素を考える
↓
分析していくと、アカウント自体の総実績数が関係してそうだとわかりました。しかし、これを実現するのは現実的ではないため、この解決方法はここで諦めます。
[課題2]に戻ります。
『上位表示以外で見てもらう方法はないか』
↓
[解決策1]ココナラ内で商品を認知してもらうための営業活動のようなことはできないか
[解決策2]ココナラ外からアクセスを集められないか
もうおわかりでしょうが、この[解決策」が課題に変わります。
[課題1]ココナラ内で商品を認知してもらうための営業活動のようなことはできないか
↓
[解決策」競合の商品を買っている人にアプローチできないか
↓
[検証]購入者の評価のところのアカウント名をタップしたが、ページは開けなかった。【実現不可】
↓
その他に方法は無いか。商品の出品者をお気に入りする機能があり、お気に入りをするとその人に通知が行く。
↓
これなら一応ココナラ内にいる人に認知をしてもらうことができることがわかった。
↓
[課題出現]やみくもにお気に入りするのではなく、お客さんになってくれそうな人に効率よくお気に入りしたい。どうゆう人がお客さんになりそう?
↓
[解決策」相談事や悩みを抱えてそうな人に限定してお気に入りする。
↓
[検証]色んなカテゴリの人にお気に入りし、効果があったカテゴリを発見する。
↓
結果は実際やっていないので、割愛します。
次に[解決策2]を課題にして考えていきます。
[課題2]ココナラ外からアクセスを集められないか
↓
[解決策1]Twitterからアクセスを集める
[解決策2]リスティングをやってみる
[解決策3]悩み系のサイトにURL付きで書き込んでアクセスを集める
[解決策4]ポスティングする
これらの解決策は実際に試したわけではないので結果は割愛しますが、かなり具体的な解決策まで落とし込むことができました。
あとは友人がこれらの解決策を試し、実際に効果があったことに注力していけばおのずと結果は出てくると思います。
応募が増え実績数が増えれば上位表示が実現し、自然とココナラ内で新たなお客さんから購入が増えていくでしょう。
まとめ
『ココナラに登録したけど、誰からも応募がこない』という漠然とした課題から、最終的には具体的な解決策を提案することができました。
このようにロジカルシンキングというのは、大きな課題を細分化し1つ1つ課題から解決策を導き出し、最終的に元の課題を解決できる有力な解決策を発見することができます。