最近CMでもよく見るクラウドファンディングというサービスについて調査してみた。
先週のカンブリア宮殿では、有名クラウドファンディングの1つ「マクアケ」が特集されていて、そのビジョンやビジネスモデルは大変興味深いものだった。
今後のトレンドにもなって急激に伸びていくであろうと感じたため、自らの学びのためにもブログでアウトプットすることにする。
そもそもクラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネット上で自分の商品開発や事業に不特定多数の人から資金を調達することです。
例えば、個人が独自で「オシャレな帽子を作りたい」とクラウドファンディングのサイト内で出資者を募り、その帽子を欲しい人がお金を出し、その集まったお金で帽子の制作にあたります。
クラウドファンディングの資金調達方法にもいくつかあるみたいで、「購入型」「寄附型」「金融型」の大きく3つがあります。
購入型は、出資者は出資金で作られたものを受け取ることができます。上記の帽子制作の場合は、実際に帽子を対価として受け取ることができます。
寄付型は、その名の通り寄付をするため、出資者は対価として何も受け取ることができません。夢や事業に賛同して無償で寄付をする形ですね。
金融型は、株式発行やファンドの仕組みを利用し、出資した分の株式を受け取ります。将来の株価上昇による恩恵を受けられます。
実際は6つに詳しく分類されるみたいなので、詳しく知りたい人は以下のページをご覧ください。
https://camp-fire.jp/crowdfunding
クラウドファンディング運営サイトのビジネスモデル
この記事では一般消費者目線でクラウドファンディングを深堀りするのではなく、ビジネス目線で運営会社のビジネスモデルなどを深堀りして理解していきます。
クラウドファンディングのビジネスモデルは基本的に、集まった資金に対して手数料を運営会社が徴収することで成り立っています。
次のセクションで有名なクラウドファンディングサイトを3つ紹介しますが、それぞれの手数料が若干違ったり、ビジネスモデルや訴求の仕方、強みはそれぞれ異なります。
個人的な認識として、プロジェクトの起案者はすべて自力でサイトで購入者を募り、商品を開発して配送する。と考えていましたが、カンブリア宮殿のマクアケのビジネスモデルを見て認識が違うこともわかりました。
クラウドファンディングで有名なサイト3選
Googleで「クラウドファンディング」で検索して、上位に表示された3つのサービスをご紹介します。
Makuake(マクアケ)
ネプチューンの原田泰造さんがCMしてて、「応援購入しよう」という購入者目線で起案者を応援するというコンセプトを強く打ち出しています。手数料は20%。
カンブリア宮殿で特集されていて、そのビジネスモデルを理解することができました。
マクアケには「キュレーター」という社員が存在し、プロジェクト実行者が実施したい内容をヒアリングし、 マクアケに挑戦するにあたっての見せ方やリターン設計をアドバイス、プロジェクト開始後は応援購入が集まるようにフォローします。
つまり、マクアケのキュレーター社員がプロジェクト実行者と二人三脚になって資金を集めるという構図です。
さらにマクアケの求人採用ページを見ると、「ビジネスグロース担当」という職種があって、プロジェクトを成功された実行者さまの今後の発展をお手伝いすることが仕事らしいです。
かなり手厚いサポートをするビジネスモデルなのですね。もちろんすべての実行者をサポートするわけではないと思いますが、サポートすることによってプロジェクトの成功確率を上げたり、資金調達額を最大化するのが目的になります。
逆に言えばサポートが手厚い分、その社員の給料という固定費が発生するため、より良く実行者をサポートして資金調達を拡大しなければ、事業として利益率は低くなってしまいます。
ただ、カンブリア宮殿で社長が言っていたビジョンで、「日本の地方のものづくりを支えたい」という言葉にはとても共感ができ、そのためのサポート体制ということが理解できます。
最後に、CMで「応援購入しよう」と購入者側への訴求を強める理由がわかりましたね。プロジェクト実行者側は営業や提携する銀行などから集め(法人営業の採用情報あり、カンブリアで地方銀行と提携)、購入者をCMやWEBから集めるために広告予算を投入しています。
キャンプファイヤー
キャンプファイヤーは最近草彅剛くんを使ったCMをガンガン流していますね。「お金と仲間を集めるサイト」として訴求しています。訴求の仕方としては購入者ではなく起案者に向けてが強いですね。手数料は17%。
「クラウドファンディング」という言葉を強く押し出して、このCMのおかげでクラウドファンディングという言葉を知った人も多いでしょう。
運営会社は「株式会社CAMPFIRE」で非上場、従業員125名。マクアケで分析したように、会社の採用情報からビジネスモデルを探っていきましょう。
キャンプファイヤーもキュレーターというプロジェクトをサポートする人がいるようですが、求人採用欄にはキュレーターや営業の募集がなかったため、プロジェクト実行者の募集はCMや広告がメインであると推測します。
キャンプファイヤーには、クリエイターとファンが繋がれるコミュニティーも用意されており、こういったコンテンツによって実行者の囲い込みにも力を入れています。求人で「コンテンツ責任者」を募集していたので、コンテンツマーケティングに力を入れているのですね。
キャンプファイヤーのキャッチコピーは「国内最大のクラウドファンディングで新しい挑戦を見つけよう」と記載されており、マクアケの「アタラシイものや体験を応援購入しよう」と比べると、新しい挑戦を見つけるワクワク感にフォーカスした訴求となっています。
マーケティングの観点でマクアケと比較すると、マクアケは営業がプロジェクト実行者になる企業を開拓するプッシュ型に対し、キャンプファイヤーはCMとコンテンツで集客するプル型と考えられます。
READYFOR(レディーフォー)
マクアケとキャンプファイヤーはCMで知っていましたが、残念ながらREADYFORは初めて知りました。
READYFORを運営するのはREADYFOR株式会社で従業員は130人、非上場。
採用情報にはキュレーターやリードキュレーターの募集が多かったため、プロジェクト実行者によりそった戦略と予想。
集客については「クラウドファンディング」とGoogle検索すると、Google広告が上部に大きく表示されるため、リスティング広告に力を入れている模様。
公式noteのライターも募集していたため、コンテンツマーケティングも実施。
マクアケ、キャンプファイヤーのようにCMで派手に宣伝はせず、リスティングやコンテンツで集客したプロジェクト実行者をキュレーターがしっかりサポートする、という戦略と考えられます。
(あまり情報がないので間違っていたらすいません…)
クラウドファンディングへの期待
カンブリア宮殿のマクアケの特集を見ての影響が強いですが、マクアケの社長が世界中でモノづくりをする人と支援者をつなげたいと言ってました。
しかし、クラウドファンディングはアメリカ発祥で「Kickstarter(キックスターター)」など強大なサービスがすでにあります。
私個人としては、そこと戦うのではなく、日本のモノづくりを世界中の人が購入したくなるようなプラットフォームになってほしいと考えています。
残念ながら日本はIT産業で世界に圧倒的に劣ってしまったため、直近で世界からお金を集めるには観光業が有効ですが、コロナで途絶えてしまっています。
日本はモノづくりに長けている国であるため、日本の文化と掛け合わせたモノを世界中の人が購入してくれる需要は非常に高いと思います。
マクアケは上場してて資金も豊富なため、そこにフォーカスして日本の古き良き文化を支えてほしいと思います。それで成功できれば売上も時価総額も天井なしであがっていくことは間違いないでしょう。